チェロって?チェロはヴァイオリンの何倍も大きく、その大きなボディから溢れ出す奥深い艶やかな音色と力強い音量であっという間に聴衆を魅了してしまいます。 ヴァイオリンのキラキラとした輝かしい音色に比べ、グッと下腹に響く滑らかな重低音は曲中で深いコクとまろやかさを演出する大切な役割を担い低音楽器でありながら伴奏に徹することなく、ソロ楽器としても大いなる活躍を遂げ、バッハの時代から現代まで数多くの素晴らしい無伴奏チェロ組曲やコンチェルトが残されてきました。 歴史的に見ればその誕生はヴァイオリンと同じ16-17世紀頃のイタリア、ヴァイオリンの項でお話した“ガスパロ・ダ・サロ”ではないかと言われております。 当時は独奏と言うより伴奏楽器として作られましたが次第にそのパフォーマンスの高さから頭角を現し表舞台へ出てきます、バッハがあれほどまでに神々しい無伴奏チェロ組曲を、ハイドンがこれほど充実しきったチェロ協奏曲を残してくれたと言う事は既に1700年代にはチェロが独奏楽器として大いに活躍していたことが伺えます。 製作に関してはヴァイオリンと同じく赤樅と楓の組み合わせにより製作されます。各サイズや比率はヴァイオリンやヴィオラとは異なりますが目に見える一番大きな違いはエンドピンがある事、エンドピンとはチェロのお尻の部分から伸びる鉄の棒で、床にさして楽器を固定、さらには楽器全体の振動を直接床に伝え音色をその部屋(空間)全体へ響かせます。 楽器を固定するだけではなく演奏効果にも貢献しています。現代ではステンレス、カーボン、真鍮、タングステン、その他の合金など様々な素材があります。単なるお尻の棒であってもすべての部分が共鳴しますのでどの素材を選ぶかにより音色・音量・音の広がりやレスポンスまで大きく違ってきます。演奏家の好みにより、そしてそれぞれの楽器との相性によって最適な素材のエンドピンが選ばれて行きます。 もちろんあのストラディヴァリも素晴らしい作品を残しております。 私も数作品見る機会に恵まれましたが、流石に圧巻です、スクロールは本当に綺麗な円形を描いております、型を取り、寸分違わずに製作する事もできます、しかし寸法やバランスは全て同じなはずだけれど全くの別物。 現在コンピューターで管理し、これら数百年前の彫刻と全く同じ寸法で作る事はいとも容易いはずです、しかし数百年前に時間をかけて手作りで掘り出した巨匠達の作品の足元にも及ばないのは明らかです。 もしかすると単に楽器作りもしくは彫刻の天才であったと言うだけではなく、何かのお役目を頂き神様に使わされてやって来た人々なのかもしれません、それほど神々しい作品、なんと素晴らしいのでしょう。 チェロの名器について一つお話しておかなければならない事があります、ヴァイオリンであればストラディヴァリに対してグァルネリがおりましたが、チェロに関してはグァルネリではなくDomanico Montagnana(ドメニコ モンタニャーナ)という製作家がおります、彼はクレモナではなくヴェネツィアの製作家で楽器のパターン(形)に革命的な変更を取り入れました、楽器の横幅の比率を大きく変え、更に横幅を広くし見た目は不恰好なモデルとなりましたが共鳴箱(楽器本体)の内容積が飛躍的に増え、最終的に圧倒的な演奏効果をもたらしました。 よってチェロにおける巨匠はストラディヴァリとモンタニャーナとなります、現在の製作家達はこれらのどちらかのモデルで製作する事がほとんどです。 美のストラディヴァリか迫力のモンタニャーナ、みなさまはどちらをお選びになりますか? |
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