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ヴァイオリンって?


皆さんがよくご存知の様に、ヴァイオリンとは何とも官能的で、眺めているだけでもその神秘的な美しさに心引かれてしまう単なる楽器というだけではなく美術作品に限りなく近い一級の芸術品とも言えましょう、しかしヴァイオリンとは不思議な楽器で、その起源さえ未だに明らかにはなっておりません。

まず、ギター等の様に弦を弾(はじ)く奏法ではなく、弦を擦って演奏する「擦弦楽器」という観念より、ヨーロッパから遠くシルクロードを遡り中国の胡弓にまで辿りつくと言う壮大なスケールの説から、ヨーロッパ各地に古くからあったフィドルなどの民族楽器が変化したという説など諸説様々ですが、最初にヴァイオリンが形として確認されたのは1400年代ヨーロッパの教会の壁画においてだそうです、天使がヴァイオリンを演奏し神様に美しい音楽を捧げるという構図。

人類が初めて出会った最初のヴァイオリンが「天使のヴァイオリン」だったとは何とロマンティックな話なのでしょう!しかし壁画や絵画ではなく現存する実際のヴァイオリンの完成にはこれから100年程待たなければなりません。こちらにも諸説ありますが、最初にヴァイオリンを作った人はガスパール・ティーフェンブルッカー(独)、アンドレア・アマティ(伊)、ガスパロ・ダ・サロ(伊)の誰かではないかと言われております。かの有名なストラディヴァリの誕生まではこれから更に100年後ですが、この時既に現在の形にほぼ近い作品が完成しました。何と400年以上も前にヴァイオリンの原型は完成していたと言う事ですから驚きです。

木の箱に竿が付いていて、そこに羊の腸を乾燥させ捻った弦を張っただけの大変プリミティブな作品の様ではありますが、木材の削り方、板目の取り方、厚さとそのバランス、隆起の高さやその広げ方などにより極上の芸術品にも単なる木箱にもなってしまいます。また竿(ネック)の角度によっても音量・音色に大きく影響しますので、全てが計算され尽くされそれらがあるべき所に熟練の技術で寸分の狂いもなく納められて、初めて楽器としてのヴァイオリンと呼べるのです、シンプルながら気が遠くなる程に高い製作精度が求められる楽器(作品)と言えます。

次に素材についてお話してみましょう。まず表板は上質の赤樅(赤モミ:松科・スプルース)そして裏板・側板・ネック・スクロールは楓(カエデ:メープル)をそれぞれ使います。稀に楓材の変わりにポプラなど他の素材を取り入れる事はありますが、95%以上が赤樅と楓の組み合わせにより製作されます。ちなみにストラディヴァリの時代から表板に関しては北東イタリア・ドロミテ渓谷にあるVal di Fiemme(ヴァル ディ フィエンメ)産のAbete Rosso(アベーテ ロッソ:赤樅)材が最良の素材として使われてきました、この土地の澄み切ったクリアーな空気、湧出る新鮮な水、程良い太陽光と斜面角、そして過去数十年から数百年に及ぶ森への行き届いた管理、木々1本1本への愛情深い手入れにより一直線に木目が通る健康的で密度の高いAbete Rossoが育ちます。楽器製作前の木材の伐採、そしてさらにその前の土や水、細やかな木々への手入れの段階から本当の意味での楽器製作は始まっているとも言えます。これらは製作家達にとって憧れの素材、全ての製作家が競い合って究極の素材を求めるのです。

楓について、古くはバルカン半島産が最良の素材として使用されてきましたが現在ではカナダ産の楓も密度が高くバルカン材と同じく貴重なものとされております。ちなみにどの素材においても木材の熟成は非常に重要で、製作において素材は適切な環境で保存されるなら古ければ古いほど良しとされております。築数百年の教会の大改修の際に廃材となる古い木製の扉や天井の梁や柱などを譲り受けそれを使い製作したところ、新作とは思えない素晴らしい音色の作品が完成したという話も数多くあります。

ヴァイオリンにおいて素材は製作のテクニックと同じく大変重要な要素です、その証拠に一般に優れた製作家達は自分の将来の作品作りの為に数多くの木材を宝物の様にコレクションします、例え一生かけても作りきれない大量の木材を既に持っていたとしても高品質で熟成の進んだ素材を常に探し続けます、これは演奏家が自分の作品に満足していたとしても、更に優れた作品と出会う瞬間を心のどこかで期待しているのと同じ事でしょう。

その他の部分、まず指板には黒檀が使われます、黒檀とはカキノキ科の常緑広葉樹で大変重く硬い素材で耐久性が抜群です、この特性より演奏の度に左手指先によりハードに押さえられた弦をしっかりと受け止める素材としてこの上ない硬い木材です、更に指板がなくネック(楓材)だけであれば4弦の張力には耐えることが出来ません、ネックに対する添え木の役割も果たしております、よって指板が取れてしまった際にはすぐに弦を緩めてあげなければ、ネックはお辞儀をする様に前向きに曲がってしまいます。

次にペグ・テールピース・顎当・エンドピン、これらには先程の黒檀に加えて紫檀(ローズウッド)、柘植(ツゲ)、グラナディラ、ペルナンブコ等が使用されますが各素材により音色の傾向が変わります、例えば黒檀は芯のある重厚感ある音色に、ツゲは明るく輝かしい音色になど、それぞれの素材に音色の特徴がありますので演奏家は常にこれらの特徴とご自分の作品との相性を鋭い耳で探さなければなりません。

駒については、一般に側板・裏板・ネック材と同じく楓材です。楽器本体と同じく熟成された密度の高い楓材が最良です、同時に駒の加工は製作する職人の技術の見せ所と言われます、加工する職人さんによりその仕上がりは大きく違います、だからこそ職人さんやショップの名前の入った焼印を押しその技術力の高さを誇ります。

これまでヴァイオリン族は楽器としてその他の作品群とは一線を画して来ました、その一番の大きなポイントはフレットがない事、それにより演奏の難易度が上がる一方、より人間の声に近い自然な音楽を表現する事が出来る、人の心によりダイレクトに響く魅力的で官能的な楽器として認識されて来ました、オーケストラでもヴァイオリンは主に旋律を担当します、主旋律を“弾く”のではなく“歌いあげる”とすればやはりヴァイオリンしかありません、それだけ特別で魅惑的な楽器なのです。



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