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Gavriel Lipkind Master Class in Tokyo 2013


IL VIOLINO MAGICO:ガブリエル リプキン マスタークラス in 東京 2013


Gavriel Lipkind

世界中で活躍しているチェリスト、ガブリエル・リプキンによるマスタークラスが6月4日から二日間にかけて渋谷区文化総合センターで開催された。記念すべき第一回となるマスタークラスには、グレイ理沙さん、上野通明さん、櫃本瑠音さん、長嶺有希子さん、笹沼樹さんの五人の素晴らしい若手チェリストが参加した。

笹沼樹 グレイ理沙



演奏家としておなじみのリプキンは、指導する立場について次のように語る。「ソリストとして世界を回っていると自分の演奏の枠に縛られ、音楽を見直す機会がなかなかありません。マスタークラスは、私自身の勉学の場でもあり、受講生と共に新しい発見をし、自由に音楽に触れ合う場なのです。」


「シングル・ボイス・ポリフォニー」 は、バッハ無伴奏チェロ組曲全集を第一弾とするリプキンの無伴奏プロジェクトのタイトルだが、今回のマスタークラスはまさに単旋律による多声音楽のようであった。一つひとつの湛然な指導が最後は総合的に調和され、受講生の奏でる音楽のBefore&Afterに多くの人が驚かされただろう。
上野通明


櫃本瑠音
指導中によく口にする言葉がいくつかあった。「Play like a monkey」→サルのように脱力した構えでチェロを抱きかかえるように演奏すること。身体と楽器が一体となる術を先代の巨匠、カザルスやロストロポーヴィッチまでの奏法の例を踏まえて説いた。「Interrupt yourself」→自分の日頃の癖を取り、縦のリズムにとらわれず横の音の流れに柔軟になること。「Release」→狭い建物の窓から飛び出し、広い世界に自分を、音を解放させること。



冗談や思い出話を交えながら終始マエストロの顔からは真剣な眼差しと微笑みが絶えなかった。
次元の違う、まるで会場が船となり広大な海原を旅しているような感動と刺激に満ちた素晴らしく充実したマスタークラスとなった。
二日間にわたりマスタークラスを受講したお二方の感想を聞いた。
長嶺有希子



「音楽づくりが最近納得いかなかったのですがリプキンさんの曲に対してのイメージなどたくさんきけて糸口が見つかったような気がします。今までに見た事もない世界を見せてくれました。」(櫃本さん)

「私はこの二日間で自分の中の世界が大きく広がったのを感じます。リプキンさんはチェロと身体が一体になることで自分の音楽が開放されていくことや、テクニックの改善方法を、根負けせずに教えてくださりました。今回の機会を何一つとして無駄にしないようにしようと強く思います。」(グレイさん)


ガブリエル リプキン マスタークラス Gavriel Lipkind Cello Masterclass

担当:IL VIOLINO MAGICO 小泉悠斗




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